原爆とボクたち

ヒロシマへようこそ!

                  

平和のためのヒロシマ通訳者グループ  荒谷 勲

私たち日本人は、「原爆投下は正しかった」と教育されてきたアメリカ人とどう向き合うべきか。せめてこの資料を手渡そう。

平和資料館を見学されて、戦争のおろかさ・平和のありがたさを改めて実感されたことと思います。
しかし、この際につぎの二つの事実も正しくご理解願いたいのです。この事実は長年にわたり多くの人々から誤解されています。私達はあらためてアメリカを非難するつもりはありません。
ただ歴史を正しく伝えて行きたいのです。

(1) アメリカはなぜ日本に原爆を落としたのでしょうか? 『戦争を早期に終結させて双方の人命損失を少なくさせるため』と説明されていますが、アメリカは戦争早期終結のためには原爆を落とす必要はなかったのです。

(2) 多くのアメリカ人は『アメリカは原爆を落としたが、日本は真珠湾を奇襲攻撃して多くのアメリカ兵を殺したので、お互い様だ。』と理解していますが、これは正しい認識ではありません。

(1) 原爆投下の必要がなかった理由
  日本は原爆投下せずとも降伏せざるを得ない状況にあり、そのことをアメリカは良く知っていたのです。しかしアメリカの大統領トルーマンは原爆使用を強く希望しました。
戦争末期には日本は戦力の殆どを失い降伏を検討しましたが、『天皇制維持』できるかどうか、最大の気がかりでした。日本への降伏勧告であるポツダム宣言の中に『天皇制維持』を保証すれば日本は降伏勧告に応じたでしょう。
  しかしトルーマンは日本が降伏勧告を拒絶するようにし向けて、つぎの工作をしました。
  (1)『天皇制維持』の項目を削除 (2)回答期限を明記せず (3)日本がソ連に依頼した仲介を適当にあしらうようにソ連指示
  日本の鈴木首相は、ソ連の仲介を期待しながら待っていたため、『宣言にはノーコメント。『我々は戦い続ける』と表明しました。この『ノーコメント』が『黙殺』と報道され、トルーマン大統領はこれを『日本が拒否した』と勝手に解釈して原爆投下の口実を見つけました。

  トルーマンが原爆を落としたかった理由
(a) 『原爆投下によって日本が降伏した』というシナリオにしたい。
ソ連の参戦予定の8月8日以前に勝負をつけたい。
(b) 今後ソビエトに対してアメリカを優位にするためのデモンストレーションとなる。
(c) 巨額の費用を投じて完成した原爆の性能を確認したい。

(2) 日本の真珠湾奇襲攻撃とアメリカの原爆投下は同罪ではありません。
真珠湾攻撃
(a) 日本は軍需目標のみを攻撃しました。(米側死者 2,388人、うち民間人 48人)
(b) 奇襲は戦法の一つです。日本は攻撃前に宣戦布告するつもりでしたが事務手続きの不手際にためできなかったのです。一方アメリカは日本の攻撃を予知していました。この経緯は映画『トラ・トラ・トラ』にも描かれています。
  
原爆投下
(a) 目的は一般の人をできるだけ多く、残酷に殺傷することでした。日本政府に降伏を決断させるためとは言え、残虐行為です。死者14万人(1945年末)(殆ど一般人)
(b) アメリカ空軍はたびたび偵察機を飛来させたので広島市民は敵機飛来に慣れて避難しなくなりました。これは広島市民の殺傷の効果を上げるための作戦でした。


ひとつ前へ 原爆とボクたちへ ポプラ会のホームページへ 次へ